~月経を通して見えてくる、女性の身体の知恵~
子宮は、命を迎え入れる“部屋”
子宮は、赤ちゃんを育むための神聖な場所。
その空間を清潔に保つために、女性の身体には「生理」という、自然な掃除の仕組みが備わっています。生理はただの排出ではなく、身体が毎月リズムを整え、内側から循環を促す働きなのです。
生理は、身体が自ら整える“再起動”のようなもの
毎月の月経には以下のような役割があります:
- 子宮内膜を新しく入れ替える
- 古くなった血液や老廃物を排出する
- 身体全体の血流や代謝を一時的に高める
- 自律神経やホルモンのバランスをリセットする
つまり、生理は子宮だけでなく、身体全体に作用する自然な回復サイクル。
このプロセスを通じて、身体は知らぬ間に多くの“調整”を行っているのです。
経血の状態は“いまの身体”を映す鏡
こんなことを感じたことはありませんか?
- いつもより経血の色が濃い、または薄い
- 血の塊が多く出る
- においが強い、濁りが気になる
- 出血量が急に増えた/減った
こうした変化は、単なる“生理の個人差”ではなく、その時々の心身の状態が反映されたサインです。
身体のリズムと生理の質の関係
生理の状態に最も影響するのは、日々の暮らしの積み重ねです。
特に次のような要素は、月経にダイレクトに現れやすいと感じます。
● 頭の使いすぎ(過度な緊張・情報疲れ)
常に考え続けていたり、デジタル機器を長時間使用していたりすると、身体は上半身に熱と緊張をためこみやすくなります。
このとき骨盤まわりは冷えやすく、経血がうまく流れにくくなることがあります。
● 身体の冷え
足元・お腹・首などの冷えは、骨盤の血流を低下させます。
特に深部の冷えは、生理痛や血の塊の原因になることも。
● 水分と“潤い”の不足
身体の水分が不足していたり、粘膜が乾いていたりすると、子宮内膜の排出がスムーズにいかず、血の塊として現れることがあります。
潤いがある身体は、しなやかに生理を乗りこなすことができます。
生理は、身体からの“内なる手紙”
毎月の生理は、自分の身体からの定期便。
少し目を向けるだけで、こんな「声」が聞こえてきます:
- 「最近、身体が冷えてるよ」
- 「水分が足りてないみたい」
- 「ずっと頭ばかり使っていて、下半身が休めていない」
- 「ゆるめる時間、もう少し必要かもね」
症状をただ不快に感じるのではなく、身体が出してくれているサインとして受け取ることで、日常の見直しやセルフケアが自然と変わっていきます。
本来のリズムに戻るためにできること
生理に優しく向き合うためには、特別なことよりも、身体の声を“感じること”が大切です。
- 足元・腰回りを冷やさない
- 水を飲むだけでなく、“潤い”を感じる食事をする
- 「頑張りすぎ」をやめて、ただゆるめる時間をとる
- お腹に手を当てて、「ありがとう」と伝えてみる
何より、「生理=ありがたい働き」だと捉えることから、身体との信頼関係が育ちます。
おわりに:生理は“面倒”ではなく、“感謝のタイミング”
毎月やってくる月経は、身体が自然に整おうとする力そのものです。
どんなに文明が進んでも、このリズムは変わることなく、私たちの中で生き続けています。
生理を不快なもの、やっかいなものとして切り離すのではなく、
「ありがとう、今月も整えてくれて」と、自分の身体と心を繋ぐ時間にしていきましょう。
🔖まとめのポイント
- 生理は子宮と身体全体を整える「掃除の時間」
- 経血の状態は、冷え・乾き・緊張などを映すサイン
- 身体の声を丁寧に受け取り、感覚を取り戻すことが、女性にとっての健康への道

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